消費者金融と利息の関係はどのように変化してきたのか
消費者金融からの借り入れにおいては、返済時に利息というものがついてきますが、これに関係する法律としては、利息制限法と「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(いわゆる「出資法」のことです。以下「出資法」とします)があります。これらの法律と利息や消費者金融との関係は、その時々の社会情勢もからみながら変化してきました。
利息制限法が初めて成立したのは、明治時代の1877年のことです。ちなみに、この頃はまだ出資法は存在せず、出資法が成立するのは太平洋戦争以後のことになります。また、貸金の利息については別に行政指導による上限が存在しましたが、その数字は年利に換算すると182.5%という恐ろしいものでした。
太平洋戦争終結後、経済の実態と法律の内容がかけ離れたものになっていたことから、1954年に新たに利息制限法が制定されました。また同じ年に出資法も成立となりました。ただし、この時点で、利息制限法と出資法には上限金利の規定に違いがあり、多くの業者が利息が低い上に違反時の罰則のない利息制限法ではなく、利息が高く違反時には罰則のある出資法に従って営業をしたことが、利息の二重基準に起因する、近年まで続いたグレーゾーン金利問題を引き起こすことになります。ちなみに、この時点での出資法における上限は年利109.5%であり、こちらもまだ大変な数字でした。
その後、出資法の上限は、1983年に73%、1986年に54.75%、1991年に40.004%と段階的に引き下げられていくことになりますが、利息制限法との利息の差は長年解消せず、特に1970年後半から1980年前半にかけて、返済の取りたての手法が大きな社会問題にまで発展したことも加わり、利息の二重基準は消費者金融業界に暗い影を落とすこととなりました。
そして、2010年に貸金業法及び出資法の改正内容が完全施行されたことで、利息の二重基準は解消されるとともに、各業者とも、それに従った金利での貸し出しを行うようになって、現在に至ります。